逸話文庫:1:文藝:23
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内外
古今
逸話文庫 第一編
文藝
○ 澁井太室の
艸書
(
そうしよ
)
、
主客
(
しゆかく
)
皆讀むこと
能
(
あた
)
はず
澁井
(
しぶゐ
)
太室
(
たいしつ
)
(
孝德
(
たかのり
)
)雲室
上人
(
しやうにん
)
の
囑
(
しよく
)
の應じて
雲室詞
(
うんしつし
)
を作り、艸書を以てこれを寫し、以て上人に
與
(
あた
)
ふ、上人讀むこと
能
(
あた
)
はず、
因
(
よつ
)
て太室に請ふ、太室熟視し
僅
(
わづか
)
に一二行を讀むのみ、
餘
(
よ
)
は
亦
(
また
)
讀むこと能はず、乃ち云く、上人
若
(
も
)
しこれを讀まんとならば、他日
來
(
きた
)
りて
予
(
よ
)
が文稿に
就
(
つい
)
て考へられよと (小宮山南梁)
原文ルビ「ぞく」。