逸話文庫:1:文藝:39
内外古今 逸話文庫 第一編
文藝
○ 吉益東洞斥醫斷の梓行を勸む
吉益東洞
曾て
醫斷を
撰び、
其門人に命じて梓行せしむ、
畑柳安これを讀みて
服せず、斥醫斷を
著はし、その書を東洞に示し、
吾これを
印行せんと思ふは
如何といふに、東洞
謝して云く、
予が
弟子の
爲に撰びしものを、かくまで
細讀せらるゝこと
辱なし、
速かに印行あらんことを望むと、
毫も意に介せず
出典未詳。
原文ルビ「いだん」。
どうか(どう思うか)。
少しも気にしなかった。いささかもこだわる様子がなかった。