逸話文庫:1:武事:6
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内外古今 逸話文庫 第一編

武事

○ 我が指の墜ち在る所は第一要害の地

佛將(ふつしやう)ファベール敵國(てきこく)と戰つて其城を圍(かこ)む、一日壘(とりで)を築かんとして、出(いで)て廓外(くわくぐわい)の野を巡視す、偶(たまた)ま流丸(りうぐわん)飛び來(きた)つて其(その)一指を墜(おと)す、從卒皆知らず、ファベール知らざる眞似(まね)して過ぐ、已(すで)にして顧みて其從卒に謂て曰く、我れ熟(つらつ)ら地の理を察するに、其第一壘(るい)を築く可(べ)き個所(かしよ)は、我が手指(しゆし)の墜(お)ちある所なりと、衆驚き探すに、果(はた)して後邊(こうへん)百歩許(ばかり)の地にありしと云ふ