言志録 (佐藤一齋) (1) 1-50/245章
 

言志録(げんしろく)

江都(かうと) 一齋居士(いつさいこじ)録(ろく)ス 
凡(およ)ソ天地間(かん)ノ事、古往今來(こわうきんらい)、陰陽(いんやう)晝夜(ちうや)、日月(じつげつ)代(かは)ル〳〵明(あき)ラカニ、四時(しいじ)錯(まじ)ハリ行(ゆ)キ、其(そ)ノ數(すう)皆前(あらかじ)メ定マル。至(いた)ルマデ二於人ノ富貴(ふうき)貧賤(ひんせん)・死生(しせい)壽殀(じゆえう)・利害(りがい)榮辱(えいじよく)・聚散(しゆうさん)離合(りがふ)ニ一、莫シレ非(あら)ザル二一定(いつてい)ノ之數(すう)ニ一。殊(こと)ニ未(いま)ダルノミ 二之(これ)ヲ前(あらかじ)メ知ラ一耳。譬(たと)ヘバ猶(な)ホシ 二傀儡(くわいらい)ノ之戲(ぎ)ノ、機關(からくり)已(すで)ニ具(ぐ)シテ、而(しか)モ觀(み)ル者不ルガ一レ知ラ也。世人(せじん)不レ悟(さと)ラ二其ノ如(ごと)キヲ一レ此(かく)ノ、以(もつ)テ爲(な)シテ二己(おのれ)ノ之知力(ちりよく)足(た)ルト一レ恃(たの)ムニ、而終身(しゆうしん)役役(えき〳〵)トシテ、東(ひがし)ニ索(さぐ)リ西ニ求(もと)メテ、遂(つひ)ニ悴勞(すゐらう)シテ以テ斃(たふ)ル。斯(こ)レ亦(また)惑(まど)ヘルノ之甚(はなは)ダシキ。文化(ぶんくわ)癸酉(きいう)五月(ごぐわつ)念六日(ねんろくじつ)録(ろく)ス。
凡天地間事、古往今來、陰陽晝夜、日月代明、四時錯行、其數皆前定。至於人富貴貧賤・死生壽殀・利害榮辱・聚散離合、莫非一定之數。殊未之前知耳。譬猶傀儡之戲、機關已具、而觀者不知也。世人不悟其如此、以爲己之知力足恃、而終身役役、東索西求、遂悴勞以斃。斯亦惑之甚。文化癸酉五月念六日録。。
凡そ天地間の事、古往今來、陰陽晝夜、日月代る〳〵明らかに、四時錯はり行き、其の數皆前め定まる。人の富貴貧賤・死生壽殀・利害榮辱・聚散離合に至るまで、一定の數に非ざる莫し。殊に未だ之を前め知らざるのみ。譬へば猶ほ傀儡の戲の、機關已に具して、而も觀る者知らざるがごとし。世人其の此のごときを悟らず、以て己の知力恃むに足ると爲して、終身役役として、東に索り西に求めて、遂に悴勞して以て斃る。斯れ亦惑へるの甚だしき。文化癸酉五月念六日録す。

(1)  太上(たいじやう)ハ師(し)トスレ天(てん)ヲ。其(そ)ノ次(つぎ)ハ師トスレ人(ひと)ヲ。其ノ次ハ師トスレ經(けい)ヲ。
太上師天。其次師人。其次師經。
太上は天を師とす。其の次は人を師とす。其の次は經を師とす。

(2)  凡(およ)ソ作(な)スニハレ事(こと)ヲ、須(すべか)ラクシ レ要(えう)スレ有ルヲ二事(つか)フルレ天ニ之心一、不レ要セレ有ルヲ二示(しめ)スレ人ニ之念(ねん)一。
凡作事、須要有事天之心、不要有示人之念。
凡そ事を作すには、須らく天に事ふる之心有るを要すべし、人に示す之念有るを要せず。

(3)  天道(てんだう)ハ以(もつ)テレ漸(ぜん)ヲ運(めぐ)リ、人事(じんじ)ハ以テレ漸ヲ變(へん)ズ。必至(ひつし)ノ之勢(いきほ)ヒハ、不レ能(あた)ハ二卻(しりぞ)ケテレ之ヲ使(し)ムル一レ遠(とほ)カラ、又不レ能(あた)ハ二促(うなが)シテレ之ヲ使(し)ムル一レ速(すみ)ヤカナラ。
天道以漸運、人事以漸變。必至之勢、不能卻之使遠、又不能促之使速。
天道は漸を以て運り、人事は漸を以て變ず。必至の勢ひは、之を卻けて遠からしむる能はず、又之を促して速やかならしむる能はず。

(4)  憤(ふん)ノ一字(いちじ)、是(こ)レ進(すゝ)ムレ學(がく)ニ機關(きくわん)ナリ。舜(しゆん)何人(なんぴと)ゾヤ也、予(われ)何人ゾヤ也トハ、方(まさ)ニ是(こ)レ憤ナリ。
憤一字、是進學機關。舜何人也、予何人也、方是憤。
憤の一字、是れ學に進む機關なり。舜何人ぞや、予何人ぞやとは、方に是れ憤なり。

(5)  學ハ莫(な)シレ要(えう)ナルハ二於立志(りつし)ヨリ一。而(しか)シテ立志モ亦(また)非(あら)ズレ強(し)フルニレ之(これ)ヲ。只(た)ダ從(したが)フノミ二本心(ほんしん)ノ所ニ一レ好(この)ム而已。
學莫要於立志。而立志亦非強之。只從本心所好而已。
學は立志より要なるは莫し。而して立志も亦之を強ふるに非ず。只だ本心の好む所に從ふのみ。

(6)  立志(りつし)ノ之功(こう)ハ、以テレ知ルヲレ恥(はぢ)ヲ爲(な)スレ要(えう)ト。
立志之功、以知恥爲要。
立志の功は、恥を知るを以て要と爲す。

(7)  盡(つく)シ二性分(しやうぶん)ノ之本然(ほんぜん)ヲ一、務(つと)ム二職分(しよくぶん)ノ之當然(たうぜん)ヲ一、如(ごと)キノミレ此(かく)ノ而已矣。
盡性分之本然、務職分之當然、如此而已矣。
性分の本然を盡し、職分の當然を務む、此のごときのみ。

(8)  君子(くんし)ハ、有德(いうとく)ノ之稱(しよう)ナリ。有(あ)レバ二其ノ德(とく)一則(すなは)チ有リ二其ノ位(くらゐ)一。視(み)テ二德ノ之高下(かうげ)ヲ一爲(な)ス二位ノ之崇卑(すうひ)ヲ一。及(およ)ビ二叔世(しゆくせい)ニ一有レバ下無クシテ二其ノ德一而居(ゐ)ル二其ノ位ニ一者上、則(すなは)チ君子モ亦(また)遂(つひ)ニ有リ下專(もつぱ)ラ就(つ)キテ二在位(ざいゐ)ニ一而稱スルレ之ヲ者上。今ノ之君子、盍(なん)ゾルヤ レ知ラ下冒(をか)ス二虚名(きよめい)ヲ一之爲(た)ルヲ上レ恥(はぢ)。
君子、有德之稱。有其德則有其位。視德之高下爲位之崇卑。及叔世有無其德而居其位者、則君子亦遂有專就在位而稱之者。今之君子、盍知冒虚名之爲恥。
君子は、有德の稱なり。其の德有れば則ち其の位有り。德の高下を視て位の崇卑を爲す。叔世に及び其の德無くして其の位に居る者有れば、則ち君子も亦遂に專ら在位に就きて之を稱する者有り。今の君子、盍ぞ虚名を冒すの恥たるを知らざるや。

(9)  人ハ須(すべか)ラクシ 二自(みづか)ラ省察(せいさつ)ス一。天(てん)何(なに)ノ故(ゆゑ)ニ生(う)ミ-二出(い)ダシ我(わ)ガ身ヲ一、使(し)ムル三我(われ)ヲシテ果(はた)シテ供(きよう)セ二何(なに)ノ用(よう)ニ一。我(われ)既(すで)ニ天ノ物(もの)ナレバ、必ズ有リ二天ノ役(えき)一。天ノ役弗(ず)ンバレ共(きよう)セ、天ノ咎(とが)必ズ至(いた)ラント。省察到(いた)レバレ此(こゝ)ニ、則(すなは)チ知ル二我(わ)ガ身ノ之不ルヲ一レ可(べ)カラ二苟(いやし)クモ生クル一。
人須自省察。天何故生出我身、使我果供何用。我既天物、必有天役。天役弗共、天咎必至。省察到此、則知我身之不可苟生。
人は須らく自ら省察すべし。天何の故に我が身を生み出だし、我をして果して何の用に供せしむる。我既に天の物なれば、必ず天の役有り。天の役共せずんば、天の咎必ず至らんと。省察此に到れば、則ち我が身の苟くも生くるべからざるを知る。

(10)  權(はかり)ハ能(よ)ク輕(けい)-二重(ちよう)スレドモ物ヲ一、而不レ能(あた)ハ三自(みづか)ラ定(さだ)ムル二其(そ)ノ輕重ヲ一。度(ものさし)ハ能ク長(ちよう)-二短(たん)スレドモ物ヲ一、而不レ能ハ三自ラ度(はか)ル二其ノ長短ヲ一。心ハ則(すなは)チ能ク是(ぜ)-二非(ひ)シテ物ヲ一、而又(また)自ラ知ル二其ノ是非ヲ一。是(こ)レ所(ゆゑ)-三以(ん)カ爲(な)ス二至靈(しれい)ト一歟。
權能輕重物、而不能自定其輕重。度能長短物、而不能自度其長短。心則能是非物、而又自知其是非。是所以爲至靈歟。
權は能く物を輕重すれども、自ら其の輕重を定むる能はず。度は能く物を長短すれども、自ら其の長短を度る能はず。心は則ち能く物を是非して、又自ら其の是非を知る。是れ至靈と爲す所以か。

(11)  以(もつ)テ二三代(さんだい)以上ノ意思(いし)ヲ一、讀(よ)ム二三代以上ノ文字(もんじ)ヲ一。
以三代以上意思、讀三代以上文字。
三代以上の意思を以て、三代以上の文字を讀む。

(12)  爲(な)スレ學(がく)ヲ、故(ゆゑ)ニ讀(よ)ムレ書(しよ)ヲ。
爲學、故讀書。
學を爲す、故に書を讀む。

(13)  吾(われ)既(すで)ニ有レバ二資(たす)クルレ善(ぜん)ヲ之心一、父兄(ふけい)師友(しいう)ノ之言(げん)、唯(た)ダ恐(おそ)ル二聞クコトノ之不ルヲ一レ多(おほ)カラ。至(いた)ルモ二於讀書(とくしよ)ニ一、亦(また)得(え)ンヤレ不ルヲレ多カラ乎。聖賢(せいけん)所ノレ云フ多聞(たぶん)・多見(たけん)、意(い)正(まさ)ニ如(ごと)シレ此(かく)ノ。
吾既有資善之心、父兄師友之言、唯恐聞之不多。至於讀書、亦得不多乎。聖賢所云多聞・多見、意正如此。
吾既に善を資くる之心有れば、父兄師友の言、唯だ聞くことの多からざるを恐る。讀書に至るも、亦多からざるを得んや。聖賢云ふ所の多聞・多見、意正に此のごとし。

(14)  脩(をさ)メレ辭(ことば)ヲ立(た)ツ二其ノ誠(まこと)ヲ一、立テレ誠ヲ脩ム二其ノ辭ヲ一、其ノ理(り)ハ一(いつ)ナリ也。
脩辭立其誠、立誠脩其辭、其理一也。
辭を脩め其の誠を立つ、誠を立て其の辭を脩む、其の理は一なり。

(15)  栽(う)ウル者ハ培(つちか)フレ之ヲ。雨露(うろ)固(もと)ヨリ生生(せい〳〵)ナリ也。傾(かたぶ)ク者ハ覆(くつがへ)スレ之ヲ。霜雪(さうせつ)モ亦(また)生生ナリ矣。
栽者培之。雨露固生生也。傾者覆之。霜雪亦生生矣。
栽うる者は之を培ふ。雨露固より生生なり。傾く者は之を覆す。霜雪も亦生生なり。

(16)  靜(しづ)カニ觀(み)ルニ二造化(ざうくわ)ノ之跡(あと)ヲ一、皆行(おこな)ハル二其ノ所ニ一レ無キレ事(こと)。
靜觀造化之跡、皆行其所無事。
靜かに造化の跡を觀るに、皆其の事無き所に行はる。

(17)  凡(およ)ソ事(こと)ノ到(いた)ルハ二玅處(めうしよ)ニ一、不レ過(す)ギ三自(じ)-二得(とく)スルニ天然(てんねん)ノ形勢(けいせい)ヲ一。此(こ)ノ外(ほか)更(さら)ニ別(べつ)ニ無シレ玅(めう)。
凡事到玅處、不過自得天然形勢。此外更別無玅。
凡そ事の玅處に到るは、天然の形勢を自得するに過ぎず。此の外更に別に玅無し。

(18)  面(おもて)ハ欲(ほつ)シレ冷(れい)ヲ、背(せ)ハ欲シレ煖(だん)ヲ、胸(むね)ハ欲シレ虚(きよ)ヲ、腹(はら)ハ欲スレ實(じつ)ヲ。
面欲冷、背欲煖、胸欲虚、腹欲實。
面は冷を欲し、背は煖を欲し、胸は虚を欲し、腹は實を欲す。

(19)  人ノ精神(せいしん)ハ盡(こと〴〵)ク在(あ)レバ二乎面(おもて)ニ一、不レ免(まぬか)レ二逐(お)ヒテレ物ヲ妄動(まうどう)スルコトヲ一。須(すべか)ラクシ 下收(しう)-二斂(れん)シテ精神ヲ一棲(す)マシム中諸(これ)ヲ背(せ)ニ上。方(まさ)ニ能(よ)ク忘(わす)レテ二其ノ身(み)ヲ一、而身ハ眞(しん)ニ爲(な)ラン二吾(わ)ガ有(いう)ト一。
人精神盡在乎面、不免逐物妄動。須收斂精神棲諸背。方能忘其身、而身眞爲吾有。
人の精神は盡く面に在れば、物を逐ひて妄動することを免れず。須らく精神を收斂して諸を背に棲ましむべし。方に能く其の身を忘れて、身は眞に吾が有と爲らん。

(20)  心下(しんか)痞塞(ひそく)スレバ、百慮(ひやくりよ)皆錯(あやま)ル。
心下痞塞、百慮皆錯。
心下痞塞すれば、百慮皆錯る。

(21)  間思(かんし)雜慮(ざつりよ)ノ紛紛(ふんぷん)擾擾(ぜうぜう)タルハ、由(よ)ルナリ二外物(ぐわいぶつ)ノ溷(にご)スニ一レ之ヲ也。常ニ使(し)メバ丁志氣(しき)ヲシテ如(ごと)クシレ劔(つるぎ)ノ、驅(く)-二除(ぢよ)シ一切(いつさい)ノ外(そと)ノ誘(さそ)ヒヲ一、不ラ丙敢(あ)ヘテ襲(しふ)-乙近(きん)セ肚裏(とり)ニ甲、自(おの)ヅカラ覺(おぼ)エン二淨潔(じやうけつ)快豁(くわいくわつ)ナルヲ一。
間思雜慮紛紛擾擾、由外物溷之也。常使志氣如劔、驅除一切外誘、不敢襲近肚裏、自覺淨潔快豁。
間思雜慮の紛紛擾擾たるは、外物の之を溷すに由るなり。常に志氣をして劔のごとくし、一切の外の誘ひを驅除し、敢へて肚裏に襲近せざらしめば、自づから淨潔快豁なるを覺えん。

(22)  吾(われ)方(あた)ツテハレ將(まさ)ニルニ レ處(しよ)セントレ事(こと)ヲ、必ズ先(ま)ヅ於(おい)テ二心下(しんか)ニ一自(みづか)ラ下シ二數鍼(すうしん)ヲ一、然(しか)ル後(のち)從(したが)フレ事ニ。
吾方將處事、必先於心下自下數鍼、然後從事。
吾將に事を處せんとするに方つては、必ず先づ心下に於て自ら數鍼を下し、然る後事に從ふ。

(23)  心(こゝろ)ノ之邪正(じやせい)、氣(き)ノ之強弱(きやうじやく)ハ、筆畫(ひつぐわ)不レ能(あた)ハレ掩(おほ)フコトレ之ヲ。至(いた)ルモ二喜怒哀懼(きどあいく)、勤惰(きんだ)靜躁(せいさう)ニ一、亦(また)皆形(あらは)ス二諸(これ)ヲ字(じ)ニ一。一日(いちじつ)ノ内(うち)自(みづか)ラ書(しよ)シ二數字(すうじ)ヲ一以テ反觀(はんくわん)スルモ、亦省心(せいしん)ノ之一助(いちじよ)ナリ。
心之邪正、氣之強弱、筆畫不能掩之。至喜怒哀懼、勤惰靜躁、亦皆形諸字。一日内自書數字以反觀、亦省心之一助。
心の邪正、氣の強弱は、筆畫之を掩ふこと能はず。喜怒哀懼、勤惰靜躁に至るも、亦皆諸を字に形す。一日の内自ら數字を書し以て反觀するも、亦省心の一助なり。

(24)  有ルハレ心レ求(もと)ムルニレ名ヲ、固(もと)ヨリ非(ひ)ナリ。有ルモレ心レ避(さ)クルニレ名ヲ、亦(また)非ナリ。
有心求名、固非。有心避名、亦非。
名を求むるに心有るは、固より非なり。名を避くるに心有るも、亦非なり。

(25)  慮(おもんばか)ルハレ事(こと)ヲ欲(ほつ)シ二周詳(しうしやう)ナランコトヲ一、處(しよ)スルハレ事ヲ欲ス二易簡(いかん)ナランコトヲ一。
慮事欲周詳、處事欲易簡。
事を慮るは周詳ならんことを欲し、事を處するは易簡ならんことを欲す。

(26)  眞(しん)ニ有ル二大志(たいし)一者ハ、克(よ)ク勤(つと)メ二小物(せうぶつ)ヲ一、眞ニ有ル二遠慮(えんりよ)一者ハ、不レ忽(ゆるが)セニセ二細事(さいじ)ヲ一。
眞有大志者、克勤小物、眞有遠慮者、不忽細事。
眞に大志有る者は、克く小物を勤め、眞に遠慮有る者は、細事を忽せにせず。

(27)  纔(わづ)カニ有ラバ二誇伐(こばつ)ノ念頭(ねんとう)一、便(すなは)チ與(と)二天地一不ルナリ二相似(あひに)一。
纔有誇伐念頭、便與天地不相似。
纔かに誇伐の念頭有らば、便ち天地と相似ざるなり。

(28)  大德(たいとく)不ンバレ踰(こ)エレ閑(のり)ヲ、小德(せうとく)ハ出入(しゆつにふ)スルモ可(か)ナリ也ト。以(もつ)テレ此(これ)ヲ待ツモレ人ヲ、儘(まゝ)好(よ)シ。
大德不踰閑、小德出入可也。以此待人、儘好。
大德閑を踰えずんば、小德は出入するも可なりと。此を以て人を待つも、儘好し。

(29)  自(みづか)ラ責(せ)ムルコト嚴(げん)ナル者ハ、責ムルモレ人ヲ亦(また)嚴(げん)ナリ。恕(ゆる)シテレ人ヲ寛(くわん)ナル者ハ、自ラ恕スモ亦寛ナリ。皆不レ免(まぬか)レ二於一(いつ)ニ偏(へん)スルコトヲ一。君子ハ則(すなは)チ躬(み)自(みづか)ラ厚(あつ)ウシテ、而薄(うす)ク責ム二於人ヲ一。
自責嚴者、責人亦嚴。恕人寛者、自恕亦寛。皆不免於一偏。君子則躬自厚、而薄責於人。
自ら責むること嚴なる者は、人を責むるも亦嚴なり。人を恕して寛なる者は、自ら恕すも亦寛なり。皆一に偏することを免れず。君子は則ち躬自ら厚うして、薄く人を責む。

(30)  今人(きんじん)率(おほむ)ネ口ニ説(と)ク二多忙(たばう)ナルヲ一。視(み)ルニ二其(そ)ノ所ヲ一レ爲(な)ス、整(せい)-二頓(とん)スルコト實事(じつじ)ヲ一十(じふ)ニ一二(いちに)、料(れう)-二理(り)スルコト閑事(かんじ)ヲ一十ニ八九(はつく)ナリ。又認(みと)メテ二閑事ヲ一以テ爲(な)ス二實事ト一。宜(うべ)ナリ、其(そ)ノ多忙ナルヤ。有志者(いうししや)勿(なか)レ三誤(あやま)ツテ踏(ふ)ムコト二此(この)ノ窠(あな)ヲ一。
今人率口説多忙。視其所爲、整頓實事十一二、料理閑事十八九。又認閑事以爲實事。宜、其多忙。有志者勿誤踏此窠。
今人率ね口に多忙なるを説く。其の爲す所を視るに、實事を整頓すること十に一二、閑事を料理すること十に八九なり。又閑事を認めて以て實事と爲す。宜なり、其の多忙なるや。有志者誤つて此の窠を踏むこと勿れ。

(31)  緊(きび)シク立(た)テ二此(こ)ノ志(こゝろざし)ヲ一以テ求(もと)メヨレ之ヲ。雖(いへど)モ二搬(はこ)ビレ薪(たきヾ)ヲ運(はこ)ブト一レ水(みづ)ヲ、亦(また)是(こ)レ學ノ所ナリレ在(あ)ル。況(いは)ンヤ讀(よ)ミレ書(しよ)ヲ窮(きは)ムルヲヤレ理(り)ヲ乎。志ノ之弗レバレ立タ、終日(しゆうじつ)從(じゆう)-二事(じ)スルモ讀書(とくしよ)ニ一、亦唯(だ)ダ是(こ)レ閑事(かんじ)ナルノミ耳。故(ゆゑ)ニ爲(な)スハレ學ヲ莫(な)シレ尚(たつと)キハ二於立志(りつし)ヨリモ一。
緊立此志以求之。雖搬薪運水、亦是學所在。況讀書窮理乎。志之弗立、終日從事讀書、亦唯是閑事耳。故爲學莫尚於立志。
緊しく此の志を立て以て之を求めよ。薪を搬び水を運ぶと雖も、亦是れ學の在る所なり。況んや書を讀み理を窮むるをや。志の立たざれば、終日讀書に從事するも、亦唯だ是れ閑事なるのみ。故に學を爲すは立志よりも尚きは莫し。

(32)  有志(いうし)ノ之士(し)ハ如(ごと)シ二利刃(りじん)ノ一。百邪(ひやくじや)辟易(へきえき)ス。無志(むし)ノ之人ハ如シ二鈍刀(どんたう)ノ一。童蒙(どうもう)モ侮翫(ぶぐわん)ス。
有志之士如利刃。百邪辟易。無志之人如鈍刀。童蒙侮翫。
有志の士は利刃のごとし。百邪辟易す。無志の人は鈍刀のごとし。童蒙も侮翫す。

(33)  少年(せうねん)ノ時、當(まさ)ニシ レ著(つ)ク二老成(らうせい)ノ工夫(くふう)ヲ一。老成ノ時、當ニシ レ存(そん)ス二少年ノ志氣(しき)ヲ一。
少年時、當著老成工夫。老成時、當存少年志氣。
少年の時、當に老成の工夫を著くべし。老成の時、當に少年の志氣を存すべし。

(34)  容(い)ルヽハレ物(もの)ヲ美德(びとく)ナリ也。然(しか)レドモ亦(また)有リ二明暗(めいあん)一。
容物美德也。然亦有明暗。
物を容るゝは美德なり。然れども亦明暗有り。

(35)  人ノ言(げん)ハ、須(すべか)ラクシ 二容(い)レテ而擇(えら)ブ一レ之ヲ。不レ可(べ)カラレ拒(こば)ム、又不レ可カラレ惑(まど)フ。
人言、須容而擇之。不可拒、又不可惑。
人の言は、須らく容れて之を擇ぶべし。拒むべからず、又惑ふべからず。

(36)  能(よ)ク容(い)ルヽレ人ヲ者ニシテ、而(しか)ル後(のち)可シ二以テ責(せ)ム一レ人ヲ。人モ亦(また)受ク二其ノ責メヲ一。不ルレ能(あた)ハレ容ルヽコトレ人ヲ者ハ、不レ能ハレ責ムルコトレ人ヲ。人モ亦不レ受ケ二其ノ責メヲ一。
能容人者、而後可以責人。人亦受其責。不能容人者、不能責人。人亦不受其責。
能く人を容るゝ者にして、而る後以て人を責むべし。人も亦其の責めを受く。人を容るゝこと能はざる者は、人を責むること能はず。人も亦其の責めを受けず。

(37)  心ノ之所レ形(あらは)ルヽ、尤(もつと)モ在(あ)リ二於言(げん)ト與(と)ニ一レ色(いろ)。察(さつ)シテレ言ヲ而觀(み)レバレ色ヲ、賢(けん)不肖(ふせう)、人不レ能(あた)ハレ廋(かく)ス。
心之所形、尤在於言與色。察言而觀色、賢不肖、人不能廋。
心の形るゝ所、尤も言と色とに在り。言を察して色を觀れば、賢不肖、人廋す能はず。

(38)  人ノ賢否(けんぴ)ハ、於(おい)テ二初見(しよけん)ノ時ニ一相(さう)スルニレ之ヲ、多(おほ)ク不レ謬(あやま)ラ。
人賢否、於初見時相之、多不謬。
人の賢否は、初見の時に於て之を相するに、多く謬らず。

(39)  愛惡(あいを)ノ念頭(ねんとう)、最(もつと)モ累(わづら)ハス二藻鑑(さうかん)ヲ一。
愛惡念頭、最累藻鑑。
愛惡の念頭、最も藻鑑を累はす。

(40)  富貴(ふうき)ハ、譬(たと)ヘバ則(すなは)チ春夏(しゆんか)ナリ也。使(し)ム二人心(じんしん)ヲシテ蕩(とろ)ケ一。貧賤(ひんせん)ハ、譬ヘバ則チ秋冬(しうとう)ナリ也。使ム二人心ヲシテ肅(つゝし)マ一。故(ゆゑ)ニ人於(おい)テハ二富貴ナルニ一、則チ溺(おぼ)ラシ二其ノ志(こゝろざし)ヲ一、於テハ二貧賤ナルニ一、則チ堅(かた)クス二其ノ志ヲ一。
富貴、譬則春夏也。使人心蕩。貧賤、譬則秋冬也。使人心肅。故人於富貴、則溺其志、於貧賤、則堅其志。
富貴は、譬へば則ち春夏なり。人心をして蕩けしむ。貧賤は、譬へば則ち秋冬なり。人心をして肅ましむ。故に人富貴なるに於ては、則ち其の志を溺らし、貧賤なるに於ては、則ち其の志を堅くす。

(41)  知(し)リレ分(ぶん)ヲ、然(しか)ル後(のち)知ルレ足(た)ルヲ。
知分、然後知足。
分を知り、然る後足るを知る。

(42)  悔(く)ユル二昨(きのふ)ノ非(ひ)ヲ一者ハ有レドモレ之(これ)、改(あらた)ムル二今(いま)ノ過(あやま)チヲ一者ハ鮮(すくな)シ矣。
悔昨非者有之、改今過者鮮矣。
昨の非を悔ゆる者は之有れども、今の過ちを改むる者は鮮し。

(43)  得意(とくい)ノ時候(じこう)ニ、最(もつと)モ當(まさ)ニシ レ著(つ)ク二退歩(たいほ)ノ工夫(くふう)ヲ一。一時(いちじ)一事(いちじ)モ、亦(また)皆有リ二亢龍(かうりよう)一。
得意時候、最當著退歩工夫。一時一事、亦皆有亢龍。
得意の時候に、最も當に退歩の工夫を著くべし。一時一事も、亦皆亢龍有り。

(44)  寵(ちよう)過(す)グル者ハ、怨(うら)ミヲ之(これ)招(まね)クナリ也。昵(なじ)ミ甚(はなは)ダシキ者ハ、疏(うと)ンゼラルヽコト之(これ)漸(すゝ)ムナリ也。
寵過者、怨之招也。昵甚者、疏之漸也。
寵過ぐる者は、怨みを之招くなり。昵み甚だしき者は、疏んぜらるゝこと之漸むなり。

(45)  土地(とち)・人民(じんみん)ハ天物(てんぶつ)ナリ也。承(う)ケテ而養(やしな)ヒレ之ヲ、使(し)ムル三物ヲシテ各〻(おの〳〵)得(え)二其ノ所ヲ一、是(こ)レ君(きみ)ノ職(しよく)ナリ也。人君(じんくん)或(あるい)ハ謬(あやま)リ-二謂(おも)ツテ土地・人民ハ皆我(わ)ガ物(もの)ナリ也ト一、而暴(そこな)フレ之ヲ。此(こ)レヲ之(これ)謂(い)フ三君(きみ)偸(ぬす)ムト二天物ヲ一。
土地・人民天物也。承而養之、使物各得其所、是君職也。人君或謬謂土地・人民皆我物也、而暴之。此之謂君偸天物。
土地・人民は天物なり。承けて之を養ひ、物をして各〻其の所を得しむる、是れ君の職なり。人君或は土地・人民は皆我が物なりと謬り謂つて、之を暴ふ。此れを之君天物を偸むと謂ふ。

(46)  君ノ之於(お)ケルレ臣(しん)ニ、擧(あ)ゲレ賢(けん)ヲ使(つか)ヒレ能(のう)ヲ、與(とも)ニ治(をさ)メ二天職(てんしよく)ヲ一、與(とも)ニ食(は)ミ二天祿(てんろく)ヲ一、元首(げんしゆ)・股肱(ここう)、合(あは)セ-二成(な)ス一體(いつたい)ヲ一。此(これ)ヲ之(これ)謂(い)フレ義(ぎ)ト。人君(じんくん)若(も)シ徒(いたづ)ラニ謂(い)フノミナラバ丁我(われ)出(い)ダシ二祿俸(ろくほう)ヲ一以テ畜(やしな)フレ人ヲ、人將(まさ)ニト 丙報(はう)ジテ以テ赴(おもむ)カント乙驅使(くし)ニ甲而已、則(すなは)チ與(と)二市道(しだう)一何(なに)ヲ以(もつ)テ異(こと)ナラン。
君之於臣、擧賢使能、與治天職、與食天祿、元首・股肱、合成一體。此之謂義。人君若徒謂我出祿俸以畜人、人將報以赴驅使而已、則與市道何以異。
君の臣に於ける、賢を擧げ能を使ひ、與に天職を治め、與に天祿を食み、元首・股肱、一體を合せ成す。此を之義と謂ふ。人君若し徒らに我祿俸を出だし以人を畜ふ、人將に報じて以て驅使に赴かんとすと謂ふのみならば而已、則ち市道と何を以て異ならん。

(47)  天尊(たか)ク地卑(ひく)クシテ、乾坤(けんこん)定(さだ)マル矣。君臣(くんしん)ノ之分(ぶん)、已(すで)ニ屬(ぞく)ス二天ノ定メニ一。各〻(おの〳〵)盡(つく)スノミ二其ノ職(しよく)ヲ一而已。故(ゆゑ)ニ臣(しん)ノ之於(お)ケルレ君(きみ)ニ、當(まさ)ニキナリ レ不ル下視(み)テ二畜養(きくやう)ノ之恩(おん)何如(いかん)ヲ一、而厚(こう)-中薄(はく)セ其ノ報(むくい)ヲ上也。
天尊地卑、乾坤定矣。君臣之分、已屬天定。各盡其職而已。故臣之於君、當不視畜養之恩何如、而厚薄其報也。
天尊く地卑くして、乾坤定まる。君臣の分、已に天の定めに屬す。各〻其の職を盡すのみ。故に臣の君に於ける、當に畜養の恩何如を視て、其の報を厚薄せざるべきなり。

(48)  助(たす)クル二天工(てんこう)ヲ一者ハ、我(われ)從(したが)ツテ而賞(しやう)シレ之ヲ、戕(そこな)フ二天物(てんぶつ)ヲ一者ハ、我從ツテ而罰(ばつ)スレ之ヲ。人君(じんくん)ハ非(あら)ズレ容(い)ルヽモノニレ私(わたくし)ヲ焉。
助天工者、我從而賞之、戕天物者、我從而罰之。人君非容私焉。
天工を助くる者は、我從つて之を賞し、天物を戕ふ者は、我從つて之を罰す。人君は私を容るゝものに非ず。

(49)  五穀(ごこく)自(おの)ヅカラ生(しやう)ズレドモ、假(か)リテ二耒耜(らいし)ヲ一以(もつ)テ助(たす)クレ之ヲ。人君(じんくん)ノ財成(さいせい)・輔相(ほしやう)モ、亦(また)與(と)レ此(これ)似(に)ル。
五穀自生、假耒耜以助之。人君財成・輔相、亦與此似。
五穀自づから生ずれども、耒耜を假りて以て之を助く。人君の財成・輔相も、亦此と似る。

(50)  大臣(だいじん)ノ之職(しよく)ハ、統(す)ブルノミ二大綱(たいかう)ヲ一而已。日間(につかん)ノ瑣事(さじ)ハ、遵(じゆん)-二依(い)スルモ舊套(きうたう)ニ一可(か)ナリ也。但(たゞ)シ發(はつ)シ二人ノ難(がた)キレ發(はつ)シ之口(くち)ヲ一、處(しよ)ス二人ノ難キレ處シ之事ヲ一。年間(ねんかん)率(おほむ)ネ不レ過(す)ギ二數次(すうじ)ニ一。勿(なか)レレ須(もち)ヰル二紛更(ふんかう)勞擾(らうぜう)ヲ一。
大臣之職、統大綱而已。日間瑣事、遵依舊套可也。但發人難發之口、處人難處之事。年間率不過數次。勿須紛更勞擾。
大臣の職は、大綱を統ぶるのみ。日間の瑣事は、舊套に遵依するも可なり。但し人の發し難き之口を發し、人の處し難き之事を處す。年間率ね數次に過ぎず。紛更勞擾を須ゐる勿れ。
○ 四時錯行、日月代明-『中庸』の語。「四時(しじ・しいじ)」は四季。
○ 数-定まっているもの。命数。
○ 傀儡-くぐつ。文楽などの人形をいう。
○ 念六日-二十六日。

(1)
○ 太上-至高の存在。聖人に似た語。『曲礼』上篇に見えるが、用例は少い。

(4)
○ 舜何人也、予何人也-『孟子』滕文公上篇、『荀子』勸學篇の語。

(8)
○ 崇卑-尊卑、高下。
○ 叔世-澆季、末世。

(11)
○ 三代-夏殷周。先秦。

(13)
○ 聖賢所云多聞多見-『論語』爲政編・述而篇等に見える。
(14)
○ 脩辭立其誠-『易経』乾卦九三爻辞。

(15)
○ 生生-『周易』繋辞上伝。

(20)
○ 心下-鳩尾(みぞおち)。
○ 痞塞-つかえ、ふさがる。

(21)
○ 間思-とりとめもない考え。
○ 襲近-近寄る。
○ 肚裏-腹中。

(28)
○ 大德不踰閑、小德出入可-『論語』子張篇の子張の語。
○ 儘-まあ。やや。

(29)
○ 躬自厚、而薄責人-『論語』衞靈公篇。

(30)
○ 料理-処理。
○ 宜-もっともなことだ。
○ 窠-穴、巣穴。

(31)
○ 搬薪運水-薪水は労働すること、活計を立てることの譬え。
(32)
○ 辟易-たじろぐ、よける。
○ 侮翫-軽んじる、ばかにする。

(37)
○ 賢不肖-優れた者と愚か者。
○ 廋す-『論語』爲政篇に「視其所以、觀其所由、察其所安、人焉痩哉、人焉痩哉。」とある。

(39)
○ 念頭-念、思い。
○ 藻鑑-品藻、品定め。

(41)
○ 知分然後知足-知足安分に似るが、「知分然後」とした意図があるか。

(42)
○ 鮮-まずいない。

(43)
○ 有亢龍-『易經』乾卦象傳。「亢龍有悔、盈不可久也。」とある。盈虚常ならぬことの譬え。

(44)
○ 寵-寵愛。可愛がられること。
○ 招、漸-『周易』の繋辞や文言の表現。

(45)
○ 天物-『禮記』に「暴天物」、『尚書』に「暴殄天物」等の語が見える。

(46)
○ 市道-商売道。

(48)
○ 天物-土地・人民を為政者が天物と捉えるべきことは、(45)に述べている。
○ 戕-残害・暴殄の意。
○ 私-私情。私利私欲。

(49)
○ 耒耜-鋤(すき)。耒はその柄をいい、耜はその刃をいう。
○ 財成・輔相-財は裁。過剰なものを切り盛りして調整し、欠けているものを助成する。『易経』泰の卦の象伝に「財成天地之道、輔相天地之宜」とある。

(50)
○ 大臣-幕府の閣老等を指すか。
○ 遵依-より従う。
○ 舊套-ありきたりの様式。
○ 紛更勞擾-濫りな変改や徒らな攪乱をすること。

(本文はtaiju生作「漢文エディタ」原文よりHTMLに変換したものである。原文は後日利用の便を考えて、このファイルに含めてある。又、上下のコラムを連動させるスクリプトも入っている。)